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2014年7月31日木曜日

帳票構築ノウハウ!帳票マイグレーションの迷宮に迷い込まないために

こんにちは、今週は尾田が担当します。
今回は、帳票マイグレーションのプロジェクトでプロジェクトリーダが陥りやすい事例とその対策について紹介します。帳票の設計や運用を担当されている方は是非一読を。

さて、帳票マイグレーションって簡単に言うとどんな仕事でしょうか。マイグレーションって普段はあまり使わないと言葉ですよね。英語の「migration」は、移動、移転とか乗換と言った意味の単語です。つまり、帳票マイグレーションとは、帳票を旧システムから新しいシステムや環境へ移行することです。

言葉ほど、スムーズに移行ができればよいのですが、帳票を旧システムから新しいシステムへ移行した場合、出力の見た目や、データとの整合性が変わってしまう事が多く、サーバのOSが変わった場合は、プリンタードライバが新しいOSに対応していないなんて事もしばしば。フォームオーバレイの移行も含め考慮しなければならない点が多いので、これらの作業を総じて帳票マイグレーションと言っています。

さてここまで読んで、既にお気づきの方も多いと思いますが、帳票マイグレーションで最も工数がかかるのは、フォームオーバレイの移行とその確認作業です。帳票の種類が少なければそれほど工数はかかりませんが、何百、何千種類と帳票がある場合は大変な工数が必要です。

帳票マイグレーションプロジェクトを初めて担当するプロジェクトリーダの中には、
「いくら種類が多いからって似たような帳票も多いし、分類してその中で複雑なものだけテストすれば大した工数はかからないだろう」と考えて計画を立てる方も多いようです。私自身が、これまで何度か帳票マイグレーションのプロジェクトに参加してきましたが、「帳票を甘く見ていた」、「思った以上に苦戦した」と感じた失敗例とその対策について紹介します。

フォームオーバレイの移行を行う場合、担当者はフォームの見た目を出来るだけ、旧システムからの出力に合わせようとします。担当者は見た目が変わってしまうとエンドユーザからクレームになる事はわかっていますので、ライトテーブル等を使って一所懸命、帳票の位置合わせを行います。これは別に間違った対応ではありませんが、二つの重要な点を見落としています。
※ライトテーブルは以前紹介しましたね。

まず一点目は、出力した帳票を使用するのはプロジェクトの担当者ではなく、エンドユーザであるという点です。

プログラム開発者がデモ画面を作成する際に高解像度のモニタを使用し、完成後、お客様へデモをした際には、営業所有のノートパソコンを使用したため、解像度の違いから画面が見切れしまったと言った事例がありますが、これに似た状況が発生します。

帳票を設計する担当者が、こだわりを持って非常に綺麗なフォームを作成したとしても、現場では、帳票を折って使用していたため、折り目に項目や印字部分が重なってしまい、見づらい、場合によっては使えないと指摘を受ける事があります。現場での運用方法が抜けていたため、エンドユーザから簡単にNGを言われてしまった手戻り発生の事例です。

二点目の問題は更に深刻です。フォームオーバレイの作成・調整の時点では、実際に出力するデータ(※以下、実データとします)を合成したテストを実施できなかった事例です。

上位のアプリケーションが完成していない場合、実データの入手は難しく、データ合成テストのフェーズがプロジェクトの終盤になることはよくあります。しかし、プロジェクトの終盤の総合テストや運用テストの段階で、初めて実データを合成して印刷テストを行うと、あれだけ綺麗に調整したフォームに印字されたデータが、小さくて見づらい、データと罫線と重なってしまったなど様々な課題が噴出します。プロジェクト終盤、ここに来ての課題噴出でプロジェクトリーダは冷や汗タラタラとなる訳です。

上記、二つの手戻りを無くして帳票マイグレーションのプロジェクトを予定通りに完了させるためには、以下の2つを守るしかありません。

1)できる限りプロジェクトの早い時点でフォームオーバレイを作成、エンドユーザや現場担当者にチェックしてもらい要望や許容範囲を確かめる。また、その記録をドキュメントに残す。

2)エンドユーザや現場担当者に確認をしてもらう場合は、フォームオーバレイだけでなく実際にデータを印字した印字結果で確認してもらう。実データが入手不可能な場合は、出来るだけ実データを想定したテストデータを作成してフォームオーバレイの調整と確認を行う。

地道な対策なのですが、このニ点を侮るとプロジェクトは工数超過、納期遅延と言う恐ろしいリスクを負う事になります。プロジェクトを計画する際には上記の2点を忘れずに計画に盛り込みましょう。

また、冒頭で記述した様に、一部の帳票のサンプリング検証ではなく、出来る限り多くの帳票を出力して確認する事もお勧めします。帳票マイグレーションはこういった地道は作業を手抜きせず積み重ねる事で成功の確立が格段にアップします。

今回ご紹介したフォームオーバレイの移行だけでなく、帳票マイグレーションプロジェクトで注意が必要な要素はまだまだたくさんありますので、今後の折を見て本ブログ等でご紹介したいと思います。

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